支払い方法の一覧
| 方法 | 主な用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| 海外送金(日本の銀行・送金サービス) | オフプランの分割金、頭金 | 中継銀行手数料、リファレンス(参照情報)の記載、着金までの日数 |
| UAE口座からの送金 | あらゆる支払い | 現地口座があると最も確実。口座開設には居住ビザが必要なことが多い |
| マネージャーズチェック(保証小切手) | 完成物件の売買、MOU時の10%預託 | UAEの銀行口座が必要。発行手数料がかかる |
| デベロッパーの分割プラン | オフプラン | 建設の進捗に連動。引渡し後分割(ポストハンドオーバー)もある |
| 住宅ローン | 完成物件・一部のオフプラン | 金利はEIBOR連動が基本。非居住者は頭金の比率が高くなる |
クレジットカードでの物件代金の支払いは、一般的な手段ではありません。暗号資産を受け付けるデベロッパーもありますが、扱いは各社の方針によります。
オフプランは必ず「エスクロー口座」へ
ドバイでは、Law No. (8) of 2007(不動産開発のエスクロー口座に関する法律)により、オフプラン物件の購入者から受け取った資金はプロジェクトごとに開設されたエスクロー(信託)口座で管理することが義務づけられています。
- 購入者が支払ったお金は、いったんそのプロジェクト専用のエスクロー口座に入る
- デベロッパーは、独立した技術者が確認した建設の進捗に応じて、RERAの承認を得たうえで段階的にしか引き出せない
- 他のプロジェクトや会社の運転資金への流用ができない
支払う前に確認する5点
- プロジェクトがDLD(ドバイ土地局)に登録されているか(登録番号を確認)
- 広告・資料にRERAの広告許可番号があるか
- 自分の契約がOqood(オフプラン登録)で登録されるか
- デベロッパーのRERAライセンスが有効か
- 振込先がプロジェクト名義のエスクロー口座か
「払ったのに、支払っていないことになっている」の正体
日本のお客様からもっともご相談が多いトラブルです。送金は完了しているのに、デベロッパー側の台帳では未入金のまま延滞扱いになり、督促や契約解除の警告が届く、というものです。原因はほぼ次の3つに集約されます。
原因① リファレンス(参照情報)が欠けている
エスクロー口座は1つのプロジェクトに対して1口座です。そこへ何百人もの購入者が送金してきます。誰のどの住戸の、何回目の支払いなのかを示す情報が送金電文に入っていないと、照合されず宙に浮きます。送金依頼書の「送金目的」「受取人への連絡事項」欄に、以下を必ず入れてください。
- 購入者名(パスポート表記と一致させる)
- プロジェクト名と住戸番号(ユニット番号)
- SPA番号または請求書(インボイス)番号
原因② 中継銀行の手数料で金額が不足する
日本からの国際送金は、送金銀行 → 中継(コルレス)銀行 → 受取銀行という経路をたどります。手数料の負担区分が「SHA(折半)」や「BEN(受取人負担)」になっていると、中継銀行で手数料が差し引かれ、請求額より少ない金額が着金します。デベロッパーの台帳では「一部入金=未完了」と処理され、延滞扱いになります。
原因③ 送金人名義と契約名義が違う
ご家族や法人の口座から送金すると、契約名義と送金人名義が一致せず、マネーロンダリング対策(AML)の観点から保留されることがあります。原則として契約者本人名義の口座から送金してください。やむを得ず別名義から送る場合は、事前にデベロッパーへ連絡し、関係を説明する書面を用意します。
トラブルが起きたときの対処
- 送金銀行からMT103(国際送金の電文コピー)を取得する。送金日時、金額、受取口座、リファレンスがすべて記載された、事実上の受領証です
- 着金額が請求額と一致しているかを確認する(差額があれば中継手数料が原因)
- MT103をデベロッパーの財務部門へ提出し、エスクロー口座の入金明細との照合を依頼する
- 照合が完了したら、更新された支払いステートメント(SOA)を発行してもらい、延滞扱いが解除されたことを書面で確認する
日本からの送金手段の選び方
| 銀行の外国送金 | Wiseなどの送金サービス | |
|---|---|---|
| コスト | 送金手数料+為替スプレッドが大きめ | 手数料が明示され、為替は実勢レートに近い |
| 1回あたりの上限 | 実務上は大口に対応しやすい | サービスごとに上限がある |
| リファレンス | 自由記入欄に確実に入れられる | 入力欄の仕様を事前に確認 |
| 向いている場面 | 大口の一括払い、エビデンスを厳密に残したいとき | 分割金など中額の定期的な支払い |
どちらを使う場合も、資金の出所(source of funds)を説明できる書類を手元に残してください。UAE側の銀行やデベロッパーから求められることがあります。
支払いスケジュールの考え方
オフプランの分割プランは、デベロッパーごとに大きく異なります。よくある型は次のとおりです。
- 建設連動型 ― 着工、基礎完了、躯体完了、内装といった進捗に応じて支払う
- 期日固定型 ― 契約から3か月ごとなど、カレンダーで決まった日に支払う
- ポストハンドオーバー型 ― 引渡し後にも残代金の支払いが続く。手元資金は抑えられるが、家賃収入が入る前の期間の資金繰りに注意
期日固定型は、建設が遅れていても支払期日は来ます。支払い遅延には遅延損害金や契約解除の条項が定められていることが多いため、為替が不利な時期でも払えるだけの余裕を見て計画してください。
まとめ
- オフプランの入金先はプロジェクト名義のエスクロー口座に限る
- 送金電文に購入者名・住戸番号・SPA番号を必ず入れる
- 手数料区分はOUR(送金人負担)にして、少し多めに送る
- 契約者本人名義の口座から送る
- MT103は必ず取得し、着金の照合が済むまで保管する
よくある質問
物件代金の支払い手段としては一般的ではありません。実務では海外送金、UAE口座からの送金、マネージャーズチェック(保証小切手)、デベロッパーの分割プラン、住宅ローンが使われます。手数料や登録料の一部でカードが使える場合はありますが、売買代金本体は送金または小切手が基本です。
ドバイのLaw No. (8) of 2007(不動産開発のエスクロー口座に関する法律)により、オフプランの購入資金はプロジェクトごとに開設されたエスクロー口座で管理することが義務づけられています(アブダビは別の法令によります)。振込先はSPAまたはデベロッパー公式の支払い案内に記載されたエスクロー口座のみを使ってください。個人名義や一般事業口座を指定された場合は支払いを止め、確認してください。
多くは、送金電文にリファレンス(購入者名・住戸番号・SPA番号)が入っていないため照合されていないか、中継銀行の手数料が差し引かれて請求額より少なく着金しているかのどちらかです。送金銀行からMT103を取得し、デベロッパーの財務部門に照合を依頼してください。
手数料の負担区分を「OUR(送金人負担)」に指定し、請求額に数十ドル程度を上乗せして送金してください。多く支払った分は次回の請求に充当されるのが一般的です。
原則として契約者本人名義の口座から送金してください。名義が異なるとマネーロンダリング対策の観点から保留されることがあります。やむを得ない場合は、事前にデベロッパーへ連絡し、関係を説明する書面を用意してください。
期日固定型の分割プランでは、建設の進捗にかかわらず契約どおりの期日に支払いが発生します。建設連動型であれば進捗に応じた支払いになります。ご契約前に、どちらの型かを必ず確認してください。
はい。支払期日のリマインド、着金確認、建設進捗の日本語レポートまでを継続してお引き受けしています。未入金扱いになった場合の調査・照合にも対応します。詳細は業者様向けの提携サービスページ、または個人のお客様はお問い合わせからご相談ください。

