「ドバイは服装も厳しく、少し手をつないだだけで問題になる」と思われることがあります。しかし実際のドバイは200以上の国籍が暮らす国際都市です。大切なのは、すべてを怖がることではなく、法律違反、施設ごとのルール、文化的なマナーを区別することです。
私は現地で生活する中で、日本から来た方が戸惑いやすい場面を何度も見てきました。この記事では、旅行者にも移住者にも必要な14項目を、2026年10月13日時点の公的案内に基づいて整理します。具体的な罰則や個別判断は状況で変わるため、迷ったときは当局・施設・専門家へ確認してください。
UAE政府、UAE法令ポータル、Emirates Drug Establishment(EDE)、Dubai RTA、Visit Dubaiの一次情報を項目ごとに照合しました。古い資料に残る現金申告「10万AED」や、薬の窓口をMOHAPとする記述は、現在の公式案内に合わせて更新しています。
- 違法薬物、飲酒運転、規制薬の無確認持ち込みは避ける。
- 他人を無断で撮らず、許可なく写真や会話をSNSへ載せない。
- アルコールは21歳以上が認可施設で。酔って公共の場で騒がない。
- 手をつなぐ程度は問題ありませんが、過度な愛情表現は避ける。
- 水着はビーチやプール内にとどめ、モールや歴史地区では控えめな服装にする。
- 現金等が6万AEDを超える場合は、出入国時に申告する。
最初に知りたい3段階|全部が「犯罪」ではない
| 区分 | 意味 | 行動 |
|---|---|---|
| 法律・公的規制 | 薬物、飲酒運転、プライバシー侵害、無許可就労など | 「知らなかった」で済ませず、公的情報を事前確認 |
| 施設ルール | メトロの飲食、専用車両、モスクの服装、撮影禁止表示など | 入口と車内の標識、スタッフの案内を優先 |
| 文化的マナー | 控えめな服装、右手で物を渡す、ラマダン中の配慮など | 相手と場所への敬意を示す |
インターネットには古い情報や極端な表現が残っています。私は「ドバイでは絶対に○○できない」と一括りにせず、最新の公的案内とその場所の掲示を確認することを勧めます。
| 検索されやすい疑問 | 2026年10月時点の要点 | 確認先 |
|---|---|---|
| 処方薬は持ち込める? | 分類次第。規制薬等は書類を携行し、旅行者の事前電子申請は任意 | EDE |
| 現金はいくらから申告? | 6万AEDを超える現金・対象資産 | UAE政府 |
| 観光ビザで働ける? | 有償・無償を問わず就労は禁止 | UAE政府 |
| メトロで飲食できる? | 禁止区域での飲食は100AEDの罰金対象 | Dubai RTA |
1. 違法薬物を持ち込まない/2. 処方薬を無確認で持ち込まない
1. 違法薬物は所持・使用・流通をしない
違法薬物の使用や所持は厳しく禁止されています。海外で購入した大麻由来製品や成分入り商品でも、UAEでの分類が同じとは限りません。成分が不明なサプリ、オイル、電子たばこ用リキッド、知人から預かった荷物を安易に運ばないでください。
2. 日本の処方薬も「薬だから大丈夫」と判断しない
睡眠薬、向精神薬、鎮痛薬などには規制対象が含まれる場合があります。現在の公式窓口はEmirates Drug Establishment(EDE)です。EDEは、旅行者が規制薬・麻薬性医薬品等の事前承認をオンラインで得るサービスを提供していますが、旅行者の電子申請自体は任意と説明しています。
規制薬・向精神薬等は、患者名、薬名、用量、剤形、治療期間、医師名などを含む処方箋と医療報告書を携行し、原則として患者の必要量の最大3か月分までです。EDEのFAQでは、規制対象でない薬は事前申請なしで携行できると案内されています。ただし、薬の分類と必要書類は出発直前にも確認してください。
- 商品名だけでなく有効成分の一般名を確認する
- EDEの規制薬リストと現行サービスで照合する
- 規制薬等なら処方箋・医療報告書を用意する
- 照合しやすいよう原包装のまま、必要量だけ携行する
- 不明ならEDE(800 33784/info@ede.gov.ae)またはUAE大使館へ確認する
3. 公共の場で酔って騒がない/4. 飲酒運転をしない
3. アルコールは認可された場所で
Visit Dubaiは、21歳以上に対し、ホテル、バー、専門店など認可された施設でアルコールを提供すると案内しています。飲酒そのものよりも、公共の場での泥酔、騒乱、他人への迷惑が問題になります。路上や公園へ持ち出さず、施設の案内に従ってください。
4. 「少しだけ」でも運転しない
UAE政府は飲酒または薬物等の影響下での運転を重大な交通違反として扱っています。飲んだ日はタクシー、配車アプリ、代行運転等を使い、翌朝も影響が残る可能性を考えてください。
5. 人を無断撮影しない/6. 撮影禁止の施設へカメラを向けない
5. 撮る前と投稿前の2回、許可を取る
UAE政府の訪問者向け案内は、本人の許可なく人を撮影しないよう求めています。観光地の背景に偶然人が入る場合と、特定の人を主役として撮る場合は同じではありません。特に女性、家族、子ども、事故やトラブルの当事者は慎重に扱ってください。
さらに重要なのは、撮影の同意とSNS投稿の同意は別ということです。UAE著作権法の写真・録音に関する規定は、撮影等に同意した場合でも、別の合意がなければ保存・展示・公開・配布に本人の許可が必要とし、公共行事等には限定的な例外を置いています。撮影できても、本人が特定できる写真・動画・会話を勝手に公開しないでください。
6. 政府・軍事関連施設などを撮影しない
政府・軍事関連施設などは撮影が制限されます。空港、港、警察、事故現場、工事現場でも標識や係員の指示を確認し、判断できない場合は撮らないのが安全です。ドローン撮影は別途の登録・許可・飛行区域ルールがあるため、通常のカメラと同じ感覚で飛ばせません。
7. SNSで他人を侮辱しない/8. 未確認情報や私的情報を拡散しない
7. DMやグループチャットも「私的だから自由」とは限らない
UAEのサイバー犯罪法は、オンラインでの侮辱・中傷、脅迫、プライバシー侵害等を対象にしています。公開投稿だけでなく、メッセージ、音声、スクリーンショット、レビューも慎重に扱う必要があります。事業者との争いでも、感情的な断定や個人攻撃ではなく、契約、領収書、日時を保存して正式窓口へ申し立てます。
8. 「転送しただけ」でも確認する
事故映像、個人情報、他人の会話、未確認のうわさを拡散しないでください。正しい内容であっても、私生活や家族生活に関する情報の公開がプライバシー侵害となる場合があります。迷ったら、氏名・顔・車両番号・住所・電話番号を伏せ、投稿自体を見送ります。
9. 罵声・侮辱・攻撃的なジェスチャーをしない/10. 過度な愛情表現をしない
9. 運転中の口論もエスカレートさせない
大声、脅し、侮辱、攻撃的な身ぶりはトラブルを大きくします。クラクションや駐車をめぐる争いでも、相手を撮りながら挑発せず、安全な場所へ移動して警察や施設管理者へ相談してください。
10. 手をつなぐことまで禁止ではない
Visit Dubaiは、手をつなぐ程度は問題ない一方、過度な公共の愛情表現は認められないと説明しています。家族向け施設、官公庁、宗教施設では特に周囲へ配慮し、人目を引く行為は避けます。
11. 水着のまま街へ出ない/礼拝施設の服装を軽視しない
ドバイの街中は多様な服装であふれ、女性がアバヤや頭髪を覆う服装を日常的に義務付けられているわけではありません。一方で、モール、歴史地区、官公庁、宗教施設では、肩や膝を覆うなど控えめな服装が安心です。
- 水着:ビーチ、プール、ウォーターパーク、スパ内にとどめる
- モスク:腕・脚を覆い、女性は髪を覆うなど施設の案内に従う
- 衣類の言葉・絵柄:宗教や他者を侮辱する表現を避ける
- ビーチからの移動:カバーアップや上着を用意する
これは「少し肌が見えたら逮捕」という話ではありません。場所に合う服を選ぶという、実務的な考え方です。
12. メトロの飲食・専用区画・道路ルールを軽く見ない
ドバイメトロでは、禁止区域での飲食は100AED、喫煙や他人名義のnolカード使用は200AED、対象外の専用車両・座席への立ち入りは100AEDなど、行為別に罰金が定められています。金額や対象は改定され得るため、車両の床色、案内表示、ホームの標識とRTAの最新一覧を優先してください。
道路では横断歩道と信号を使い、運転中のスマートフォン操作、速度超過、赤信号、路肩駐車を避けます。事故を起こした場合は、自己判断でそのまま立ち去らず、警察への報告方法を確認します。運転の基本はドバイでの運転ガイドもご覧ください。
13. 6万AEDを超える現金等を申告せず出入国しない
UAE政府は、入国または出国時に6万AEDを超える現金、同等の外貨、持参人払式金融商品、貴金属・宝石等を携行する場合、ICPの申告制度またはAfsehアプリで申告するよう案内しています。申告は「持ち込み禁止」という意味ではなく、資金の透明性を示す手続きです。古い案内には10万AEDと書かれたものがありますが、本記事は2026年4月更新の連邦政府案内に合わせています。
18歳未満が持つ分は、同伴する保護者等の上限に合算されます。現金以外も対象になり得るため、高額品を持つ場合は出発前に最新の対象範囲を確認してください。
14. 観光・訪問資格のまま働かない
商談や就職活動と、実際に勤務することは別です。UAE政府は、観光・訪問資格で働くことを有償・無償を問わず禁止すると案内しています。雇用主から正式なオファー、雇用契約、労働許可と居住手続きの説明を受け、「先に働いて、ビザは後で」という口頭説明だけで開始しないことが大切です。
移住を計画している方は、ドバイ移住の条件と手続きで居住ルートと90日前からの順番を確認できます。
ラマダン中は何が変わる?
ラマダンは、断食をする人への敬意を示す時期です。UAE政府とVisit Dubaiは、非ムスリムに断食を求めておらず、日中もモールやホテルを中心に営業する飲食店があると案内しています。一方、店舗・職場・施設の運用は異なるため、公共の場では飲食・喫煙を控えめにし、指定された場所と施設の案内に従うのが実務的です。
すべての人が断食するわけではなく、旅行者や非ムスリムに同じ宗教実践を求める話でもありません。分からないときは、周囲を決めつけず、施設スタッフへ静かに確認してください。
日本出発前と現地でのチェックリスト
| 時点 | 確認すること |
|---|---|
| 航空券を取る前 | パスポート、滞在資格、薬の成分、保険、持込品 |
| 荷造り時 | 処方箋・医療報告書、薬の原包装、現金等の申告要否、預かり荷物の中身 |
| 撮影時 | 人物の許可、撮影禁止表示、投稿許可、位置情報や車両番号 |
| 外出時 | 場所に合う服装、帰りの交通、施設ルール、飲酒後の移動手段 |
| オンライン | 事実確認、プライバシー、感情的な表現、契約・領収書の保存 |
ドバイで困らない人は、細かな法律をすべて暗記している人ではありません。「他人のプライバシーを守る」「標識を見る」「薬と持込品を事前確認する」「迷ったら正式窓口に聞く」という4つを習慣にしている人です。
困ったときの連絡先
| 用途 | 番号 |
|---|---|
| 警察・緊急 | 999 |
| 救急車 | 998 |
| 消防 | 997 |
| 警察への非緊急問い合わせ・ツーリストポリス | 901 |
安全な場所へ移動し、現在地、施設名、道路名、車両番号、領収書などを伝えられるようにします。パスポートを紛失した場合は警察への届け出に加え、在ドバイ日本国総領事館へ連絡してください。
よくある質問
ドバイで一番注意すべき禁止事項は何ですか?
違法薬物や規制薬の持ち込み、飲酒運転、他人のプライバシーを侵害する撮影・投稿は特に注意が必要です。日本で合法または一般的でもUAEでは扱いが異なるため、出発前に公的情報を確認してください。
ドバイではどんな服装でも大丈夫ですか?
一般の服装は多様ですが、モール、歴史地区、官公庁、礼拝施設では控えめな服装が適しています。水着はビーチ、プール、ウォーターパーク等では問題ありませんが、街中やモールには向きません。
ドバイで手をつなぐことは禁止ですか?
Visit Dubaiは、手をつなぐ程度は問題ない一方、過度な愛情表現は認められないと案内しています。場所と周囲に配慮し、人目を引く行為は避けるのが安全です。
ドバイで写真を撮るときの注意点は何ですか?
人を撮る前に許可を取り、政府・軍事関連施設など撮影禁止の場所ではカメラを向けないでください。撮影できた写真でも、本人の同意なくSNSへ投稿するとプライバシー侵害になる可能性があります。
日本の処方薬をドバイへ持ち込めますか?
薬の区分によって必要書類と数量上限が異なります。EDEの現行案内では、旅行者向けの事前電子申請は任意です。規制薬・向精神薬等は処方箋と医療報告書を携行し、原則として最大3か月分までと案内されています。
ドバイで困ったときは何番へ連絡しますか?
緊急の警察は999、救急車は998、消防は997です。緊急ではない警察への問い合わせやツーリストポリスは901を利用できます。
主な公的資料
- Emirates Drug Establishment:個人使用薬の持込許可
- Visit Dubai:Practical Information(服装・飲酒・薬・行動)
- UAE Government:Social Responsibility(服装・写真撮影)
- UAE Legislation:著作権法 Article 45(写真・録音)
- UAE Legislation:Federal Decree-Law No. 34 of 2021(サイバー犯罪)
- UAE Government:税関・現金申告
- UAE Government:就労前の準備・訪問資格での就労禁止
- Dubai RTA:公共交通の違反・罰金
- UAE Government:ラマダン
- Dubai Police:Visitor Guide・緊急連絡先
この記事は2026年10月13日時点の一般情報です。法律、運用、施設ルール、申告基準は変更されることがあり、個別事情で判断も異なります。出発・申請・行動前に必ず関係当局の最新情報をご確認ください。

